こだまのように

  


  詩ってなにかと問うひとがいる

  さあなんなんだろうと自問する 

  15歳から書いている

  ぼくにとっては折ふしの想い

  だから

  自分とはなんなのかと問い

  そのことでまたペンが走る

  たまたまこのページに入ってきた

  あなた

  よければぼくの想いを眺めてから

  遠くの空に飛びたちなさい



  この半島をゆく風は

  懐かしい風景へぼくをはこぶ

  清流が幾すじもの河になって

  真っ青な空を映しながら

  山々をぬって流れ

  ひとびとのあたたかい話し声が

  こだまのように響いている

  いま

  変わり果てたふるさとに立ち

  目を閉じて思い出している

  あの頃のふるさとに

  姉とふたりで遊んだ

  あのときの夏の山や河に

  みんな帰ろうよと

  まっすぐに話かけている