葉桜の里

 

 通りがかりに

 木々にゆれる小さな里をみた

 もの音ひとつないこの里に

 ふと、川を越えて行ってみたいと思った

 まわり道をして行くと

 そこここでゆれていたのは葉桜だった


 やがて

 むせ返るような草の香といっしょに

 五月雨がこの里をつつみ

 あの白さをおびた谷からの水が流れる

 その頃に

 この小さな里に来てみよう