夏は来ぬ

  

  青い空のあるたそがれどきには 

  じゃり道を歩いてみよう 

  草を分け

  いねの穂を指先に感じ

  すあしを小川に入れて

  吹く風に頬をむけてみよう

 

 

  なにもいわず

  なにも思わず

  遠く夕立の声をきこう

  いねの穂を撫でて吹きすぎる

  たそがれどきの風の香に

  心はずませて 

  夏は来ぬ